書道教室「ふたばの海」2周年記念ワークショップ

書家・武田双葉の『どんな人でも文字が美しくなる講座』
稽古風景






【大人の書の学び〜2023年9月】




古典は書きぶりを比べることでこそ特徴がつかめます。前回の基礎書法講座では、主に以下の視点から比較をしました。ぜひ、比較の視点をもちながら、鑑賞や臨書の時間を積極的にとっていきましょう、


@顔真卿と王羲之の行書

字形のとり方(向勢か背勢か、行間が明るいか暗いか)、字の動か方(安定か躍動か、上疎下密か上密下疎か)。線質(力を外に出すか内にこめるか、露鋒か蔵鋒(中鋒)か)。装飾(個性)的な筆法(蚕頭燕尾性の有無)。


A欧陽詢と顔真卿と柳公権の楷書

字形(字外空間優先・背勢か字中空間優先・向勢か)、線質(硬質的・直勢か弾力的・円勢か)、魅せ方(主画強調か余白強調か)。


B北宋の三大家

アシンメトリーさ・字軸の傾け方(重心左下か右下か、右傾か左傾か)、伝統(王羲之)的か革新(顔真卿)的か(向勢・背勢、円勢・直勢、露鋒・蔵鋒、上疎・下疎の比率がどのようなものか)。


C高野切 第一種・第二種・第三種

線質(流麗か、重厚か、リズミカルか)、字形(右下への張り出し方)。


Dその他

・虞世南と黄庭堅の比較・・・横画の性質(三折法か多折法か、右に伸びるか左に伸びるか)。

・米?と王羲之・・・字軸(重心)の傾け方、空間の疎密のとり方、線の太細の度合い。




【2023年8月の稽古風景】


厳しい暑さでも快適に過ごせるよう、心身を爽やかに整えていきました。





●暑い夏でも快適に過ごせる身体を−。それぞれの身体感覚を磨く稽古で引き出していきます。











●「芸は身を助く」は事実です。一生の宝ものとなる『技』を子供達にも伝えています。











【大人の書の学び〜2023年8月】





1.顔真卿「三稿」(「祭姪文稿」・「祭伯文稿」・「争坐位文稿」)

王羲之書法を「蚕頭燕尾」(三折法の拡張)で革新し、北宋の三大家(蘇軾・黄庭堅・米?)による「書のルネッサンス」の起爆剤となった顔真卿の書。起点となったことが重要です。実技編では「祭姪文稿」のポイント(@懐の広さ・A頭部の小ささ・B

2.柳公権

書が廃れた晩唐期において、唯一輝きを放った柳公権。顔真卿と欧陽詢の書風を融合させ、「柳体」と呼ばれるジャンルを創り出しました。代表作「玄秘塔碑」は、顔真卿より線が痩せているも骨力が強く、顔真卿の正方形構成より縦長で爽涼な書風です。「顔筋柳骨」と評される、鋭く強靭な線質を特に習いたいものです。


3.蘇軾

「黄州寒食詩巻」に代表される蘇軾書法は、李?や顔真卿を起点とする革新的なもので、点画を揺らがせ字形を歪ませ、「意の書」と評される感情豊かな表現を実現しています。ポイントとしては@重量感(蔵鋒中鋒)、A右傾(重心左下)、B扁平(字形の潰し)、C多折法(線の抑揚)、D字形の変化が挙げられます。


4.病筆

「八病」に続いて、今回は「八疾」。タブーとされる筆使いの代表例です。記憶しておけば、大変便利です。「テイ・サン・コ・ボク・キン・バン・フ・フ」の掛け声で覚え、自分の書に「病筆」が含まれないか、チェックする習慣をつけていきましょう(@釘頭、A撒箒、B狐尾、C墨猪、D筋書、E板書、F布棋、G布算)。





≪2023年7月≫

〇琵琶湖の浜で砂書道! 筆先に全身の力を通す、効果的な稽古ですー










●道場の子ツバメたちと一緒に、人生を羽ばたいていくための稽古をしました。








●みんなで心を込めて「礼」。隅々まで磨かれた道場に。ただ、それだけで、健やかになっていきます。





●呼吸を深め、姿勢を整え、書で言葉を磨いていくと、表情も豊かになっていくものです。








●大人の青春! 全国競書大会にチャレンジしました―









【大人の書の学び〜2023年7月】


北魏と随の楷書を墓誌銘(「崔敬よう墓誌銘」「美人董氏墓誌銘」など)に学び、いわゆる新法行草書を唐代の李よう「李思訓碑」と懐素「草書千字文」に学んでいきました。


書法道場では、楷書は欧陽詢「九成宮醴泉銘」、行草書は王義之(「集字聖教序」、「十七条」など)をベースにしています。ただ、北魏楷書や新法(三折法)行書、狂草といったところへの「行ったり来たり」がスムーズにできるようになれば、楷書や行草書の基本筆法に深みができるようになります。


初心者のうちから、積極的に古典に触れ、自分の書が「古典の香りを纏う」優雅さを味わっていきましょう。


〇北魏楷書

まずは、≪造像記・碑碣・摩崖碑・墓誌銘≫と、書かれた(刻された)対象によって古典を整理分類しておきましょう。例えば、造像記であれば「牛ケツ造像記」「始平公造像記」など、碑碣であれば「張猛龍碑」「貞碑」など、摩崖碑であれば「石門銘」や「鄭羲下碑」など、墓誌銘であれば「元髟謗叙チ」「阮元峻墓誌銘」など。


今回は、北魏楷書のうち「元テイ妻穆玉容」、「司馬モ」、「司馬顕姿墓誌」、「張黒女(張玄)」の各墓誌銘について、新たに取り上げました。


〇隋代楷書

「美人董氏墓誌銘」、「蘇慈墓誌銘」、「大僕卿元公墓誌銘」、「元公夫人姫氏墓誌銘墓誌銘」を、滑らかな鐘ヨウ系と法則的な欧陽詢系に分類しながら、完成された初唐代楷書とは異なる書風を書き込んでいきました。


〇唐代行書

いわゆる新法・三折法行書として、李ヨウ「雲麾将軍李思訓碑」の臨書に取り組みました。古法二折法、王義之の書風とはどこが異なるか。横画の右上がりの強さ、始筆や転折の鋭さ、偏旁冠脚の大小のつけ方・・・「書のルネッサンス」と評される北宋の書の起点として、捉えていきました。


〇唐代草書

懐素といえば、いわゆる狂草、「自叙帖」によるドラマチックな表現が有名ですが、渋く古樸な「草書千字文」(千金帖)に触れました。両帖を比べてみれば正に「動と静」と言える対照的な表現ですが、やはり、同一人物が書くからこその「筆癖」は共通しています。


懐素には、夏雲がたなびく様子を眺めて、革新的な筆法を編み出したという故事(「夏雲奇峰」)がありますが、自叙帖と千金帖の書きぶりを丁寧にだどっていけば、その極意が垣間見えてくるのかもしれません。





≪2023年6月≫

●大人の青春☆夏の全国競書大会

年に1度の全国競書大会「たなばた展」。7月の清書提出に向けて、アイデアを出し合ったりしました。




●みなさん、本当にステキな表情!









【大人の書の学び〜2023年6月】


●貞碑(523)

張猛龍碑(522)と書風を比べてみましょう。どちらも、後期方筆系の北魏楷書ですが、張猛龍碑は荒々しく、貞碑は落ち着いた雰囲気があります。まずは、横画の右上がりの角度や主画の強調の仕方に着目してみるといいでしょう。


●北魏墓誌銘

様々な墓誌銘のなかでも、北魏代の六優品をピックアップしました。牛ケツ造像記や張猛龍碑などと比べて、全体的には行意含有率が高く、南朝(王羲之)の風合いが色濃いような印象です。

→@元髟謗叙チ=牛ケツ造像記に近しい方筆系。A元顕儁墓誌銘=貞碑の行意を高めたような円筆系。B司馬モ妻孟訓墓誌銘・・・スタイリッシュな方筆系。C皇甫墓誌銘…隷意のある円筆系。D崔敬?墓誌銘・・・鄭羲下碑に近しい円筆系。E李壁墓誌銘・・・張猛龍碑に近しい方筆系。


智永「真草千字文」

智永は、「鉄門限」という故事で知られる、隋代きっての能書家。代表作「真草千字文」は、奇跡的に真筆「小川本」が現存。また、良質な拓本として「関中本」や「寶墨軒本」もあり、王羲之「十七帖」や孫過庭「書譜」と並んで、草書の基本を学ぶのにもってこいのテキストです。




≪2023年5月≫

●夏の書遊び全国大会

 課題は「空」。スポンジや歯ブラシ、西陣織、鹿の骨など、筆以外の道具をつかって、デザイン書道を楽しみました。










●大人の生徒さんは、古典のアレンジにチャレンジ

王義之、鄭道昭、顔真卿など、古典に基づいた作品づくりをしました。





●児童生徒さん、バランストレーニングを楽しみながら、書き方を向上させていきました。










【大人の書の学び〜2023年5月】


●張猛龍碑(522年)

建碑から長らく、あまり注目されなかった張猛龍碑。ところが、1800年頃、清代の碑学派(包世臣)によって「書道史上の最高峰」とされ、張猛龍碑が脚光を浴びることになりました。北魏楷書の創始者・趙之謙は逆入平出で、張裕サは外方内円により張猛龍碑を表現。張猛龍碑の特徴は「方筆」。鋭く、右上がりが強い、手足(払い)が長く、引き締まった字形。スタイリッシュな躍動感があります。


●王羲之「蘭亭序」(353年)

貴族的な書きぶりですが、王羲之は「骨こう」と呼ばれるほどマッチョ系。楷書では「楽毅論」、草書では「十七帖」、行書では「集字聖教序」「喪乱帖」「孔侍中帖」など、その名作のコピー(搨模本や拓本)は沢山残されていますが、やはり、「蘭亭序」が最高傑作。そのコピーの中では八柱第一本(虞世南臨模・張金界奴本)、八柱第三本(馮承素搨模・神龍半印本)、定武本(欧陽詢臨模)が有名です


●孫過庭「書譜」(687年)

孫過庭は、新法・三折法という流行に流されず、伝統的な書法(古法・二折法)にこだわった、かたくなな保守系書家。頭大脚小、中心右下移動、左傾といった字のフォルム(結体)のとり方も、伝統的な王羲之書法にかない、「書譜」は「十七帖」と並ぶ草書の双璧と評されています。





≪2023年4月≫


●足元がグラグラな方が、強い線が書ける!? バランスボードと書道を組み合わせると、新たな発見があるものです。




●児童全国大会で入賞された生徒さん、おめでとうございます―

★全国最優秀賞を獲得した生徒さんも!







●児童生徒さん、心技体をバランスよく磨いてくれています。









●蘭亭序や顔勤礼碑など、古典に基づいたアレンジにチャレンジ!








【大人の書の学び〜2023年4月】 




●鄭道昭「鄭羲下碑」

・方筆系の龍門四品(始平公・孫秋生・魏霊蔵・楊大眼)と異なり、鄭羲下碑は「円筆系」です。

・鄭道昭は王羲之・顔真卿と並ぶ「第三の書聖」とも評され、その雄渾な書風は、特に、清代碑学派の能書家(趙之謙など)を魅了していきました。

・代表作の「鄭羲下碑」は「篆の勢、隷の韻、草の情が全て具わる」と言われる多様な書きぶりで、「野外芸術の精華」と書の世界では最高ランクに位置付けられています。


●欧陽詢「皇甫誕碑」

欧陽詢の楷書四碑(化度寺碑、九成宮醴泉銘、温彦博碑、皇甫誕碑)の中でも、皇甫誕碑は、欧法(背勢や方勢など)が際立っています。楷書の極則「九成宮醴泉銘を修得するには、まず皇甫誕碑から」とも言われます。


●顔真卿「顔氏家廟碑」

・王羲之の流れをくむ初唐三大家ら伝統派に対して、顔真卿は懐素と共に革新派とされます。

・初唐三大家により楷書体が完成した後、盛唐の顔真卿が蚕頭燕尾による感情豊かな書を打ち出したことで、新たな書風の歴史が花開き、「意の書」と言われる北宋の三大家に繋がっていきます。

・顔真卿の楷書作品は数多くありますが、「多宝塔碑」、「東方朔画賛」、「麻姑仙壇記」、「顔勤礼碑」、「顔氏家廟碑」の五つを覚えておけば、まずは、十分でしょう。



≪2023年3月≫

立ち方から始める「本来の書の稽古」。健やかな立ち方が、美しい書き方の前提です。












〇大人は条幅作品制作にトライしました






〇児童生徒のみなさんも、イキイキと稽古をしています。







【大人の書の学び〜2023年3月】 



@王羲之尺牘

まずは、「喪乱帖」と「孔侍中帖」に触れてみましょう。慣れてきたら、菅原道真を左遷した醍醐天皇にゆかりの「妹至帖」や、風流天子・宋の徽宗や清の乾隆帝や明の董其昌に関係する「行穣帖」、広島原爆で粉塵と化してしまった「遊目帖」も鑑賞してみましょう。線の弱い人は「奉橘帖」、テクニックを磨きたい人は「初月帖」といったように、TPOに応じて使い分けてもいいでしょう。


A北魏楷書

北魏後期の漢化政策による南朝書風の流入により、ブラッシュアップされた北魏楷書を【碑・墓誌・造像記・摩崖】の4つに分類し、捉えていきました。


<碑> 北魏楷書の最高傑作「張猛龍碑」と「貞碑」は、必ず鑑賞されたし。

<墓誌> まずは「元顕儁(げんけんしゅん)墓誌銘」、「張黒女(張玄)墓誌」に触れてみよう。

<造像記> 「牛ケツ造像記」+「龍門四品」(始平公、魏霊蔵、楊大眼、孫秋生の各造像記)の「方筆性」と「躍動性」を捉えよう。

<摩崖> 書道史の中で燦然と輝く、円筆系の摩崖碑・鄭道昭「鄭羲下碑」は要チェック。


Bチョ遂良

楷書四碑のうち壮年期の「伊闕仏龕碑」と「孟法師碑」は欧陽詢の書風に近く、晩年期の「房玄齢碑」と「雁塔聖教序」では、より独自性を発揮しています。いかにして「チョ法」を編み出したか、孟法師碑と雁塔聖教序の比較から始めてみましょう。また、?遂良の行書「枯樹賦」については、「蘭亭序」と比較しつつ、針金のような線、字形の変化の多様性などを学びたいものです。



≪2023年2月≫


●3月開催・書法道場展「爛漫」に向けて清書!





●全身を整えながら、書に取り組みます。





●みなさん、いい表情されています(´▽`)










【大人の書の学び〜2023年2月】 


 楷書については、「鐘ヨウ」(宣示表、薦季直表など)→「二爨碑」(爨宝子碑・爨龍顔碑)→「龍門造像記」(始平公造像記など)→「唐代楷書」(九成宮醴泉銘、雁塔聖教序など)の順で、まずは歴史の基本的な流れを押さえていきましょう。今回は、特に、方筆系の龍門造像記「牛ケツ造像記」と楷書を完成させた初唐の三大家たる父・欧陽詢の峻厳さを際立たせた欧陽通「道因法師碑」を書き比べつつ、北魏の躍動性と唐の構築性といった各時代における楷法の異同を捉えました。


行草書については、王羲之尺牘のなかでも最高傑作とされる「喪乱帖」と「孔侍中帖」に着目。左傾、中心移動、頭大脚小といった一般的な王羲之書法を捉えながら、それぞれの尺牘に現われる具体的な風合いを味わっていきました。王羲之尺牘の特徴を明確にするために、伸びやかでリズミカルでスケールの大きい唐太宗の「温泉銘」を取り上げましたが、王献之「地黄湯帖」や米?の「蜀素帖」などとも、比較していきたいものです。


☆龍門四品(始平公・魏霊蔵・楊大眼・孫秋生の各造像記)を鑑賞し、唐代楷書(九成宮醴泉銘や雁塔聖教序、顔勤礼碑)と比べてみましょう。




≪2023年1月≫


●書いて飾って叶えるカレンダー展 〜in 滋賀銀行堅田駅前支店


2023年の抱負を漢字一文字書に!




●全国児童書初め大会にチャレンジ

児童生徒のみなさん、書き初め大会に向けて、一所懸命に励んでくれました!






●書法道場展「爛漫」に向けて書作品制作にチャレンジ!











●「書かない書の稽古」としての、バランストレーニングにも励んでいます。









【大人の書の学び〜2023年1月】 

1月は鐘よう「薦季直表」、王羲之「楽毅論」、王献之「中秋帖」、懐素「自叙帖」を振り返りつつ、王羲之「興福寺断碑」、「二爨碑」(「爨宝子碑」、「爨龍顔碑」)、唐太宗「晋祠銘」を取り上げました。


王義之「興福寺断碑」は、同じく集字碑たる「集王(字)聖教序」と比べてみるといいでしょう。集字者の個性の違いだけでなく、時代性の違いも表れており、変化の細やかな「集王聖教序」に対して「興福寺断碑」はより法則化されています。


「二爨碑」を学ぶときは、前提として、唐代楷書までの道筋を押さえておきましょう。すなわち、鐘よう「薦季直表」で楷書が芽生え、爨宝子碑で線が鋭利になり、爨龍顔碑で横画に角度がつき、北魏楷書で三折法が備わり、唐代楷書の構築美へと向かっていきます。


唐太宗「晋祠銘」は、現存最古の行書碑であることは忘れたくないものです。日常書体たる行書が石碑になるとことで、「紙に書く」と「石に刻る」ことの相対化か極まり、以後、石碑に刻ることをもって正式な書とされた「石の時代」から、紙に書くことが石に刻ることを内包する「紙の時代」に移っていきます。



≪2022年12月≫


 ⇒12月の稽古風景写真


◎書いて飾って叶えるカレンダー! 新年の抱負を漢字一文字書に凝縮、よき年を引き寄せるワークです。












【大人の書の学び〜2022年12月】 
漢代の「隷書」が終わり、魏晋南北朝代の書に入っていきました。紙の普及に伴い書体の進化が加速化し、現行書体(草書・行書・楷書)の名手も登場します。


草聖・張芝は不明な点が多いですが、「宣示表」や「薦季直表」で隷書を革新し楷書のスタイルを創り上げた鐘ヨウは「楷書の鼻祖」とされ、その後の楷書体の変遷(北魏石刻楷書→唐代楷書)の起点となっていきます。


書聖・王義之は「蘭亭序」や「集字聖教序」といった行書で特に有名ですが、その楷書についても、鐘ヨウの書と比較しながら触れておきたいところです(「黄庭経」や「楽毅論」など)。なお、王義之の息子・王献之も、父と並んで「二王」と評される能書家。その行書(「廿九日帖」「中秋帖」「地黄湯帖」など)は、王羲之の落ち着いた書きぶりに動的なアレンジを加えることで、新たな書の世界を切り拓き、北宋代の米?や明代の王鐸にも大きな影響を及ぼしていきます。


<鐘ヨウと王義之の楷書(小楷)の比較>

・鐘ヨウ小楷…字形は扁平・向勢で隷書の名残が色濃く、線質は二折法・中鋒・円勢でまろやかで行書との未分化が伺える

・王義之小楷…鐘?より字形は縦長・背勢気味、線質は三折法・露鋒系の多用で鋭さが増し、よりスタイリッシュに。とはいえ、唐代楷書と比べると背が低く、線質もまろやか。




≪2022年11月≫


 ⇒ 稽古風景


◎アート書道にチャレンジ! 自作の筆や、筆以外の道具(歯ブラシやドライバー等)を使って、新たな書表現を楽しみました。







◎自分で選んだ言葉を、自分らしく表現する―

書法道場展「爛漫」(2023年3月中旬開催・烏丸御池しまだいギャラリー)に向けて、書作品制作!





◎書は「最高の健康法」です。全身を緩めて呼吸を深め、内なる芸術性を引き出していきます。





◎まずは、「書を知る」ことから―座学の時間も大切にしています。





【大人の書の学び〜2022年11月】 

〇隷書の五つのスタイル

多種多様な隷書の作品群を「五つのスタイル」に仕分けして、随所で引き出せるようにしておきましょう。曹全碑の扁平な字形でありながら、張遷碑の骨力のある線質で書くなど、様々な隷書の表現ができるようになります。

@碑銘の隷書・古隷(ライ子侯刻石など)、A碑銘の隷書・八分隷(乙瑛碑、礼器碑、史晨碑、曹全碑、張遷碑など)、B摩崖の隷書(石門頌、西狭頌など)、C木簡の隷書(敦煌漢簡、居延漢簡など)、D碑学派の隷書(ケ石如や趙之謙など)。

〇木簡
木簡の発見によって、前漢代にも八分(波磔のある隷書)が存在したこと、また、隷書と同時に日常書体である隷書の早書き体(草隷)が発展していたことが分かりました。清代碑学派の隷書作品群は木簡(手書きの隷書)を前提にしていませんが、木簡発見後の現代書道においては、隷書を作品化する場合は、手書きの隷書の要素を考慮する必要があるでしょう。

〇狂草
狂草とは、王義之「十七帖」や孫過庭「書譜」に代表される古法・二折法草書を革新し、新法・三折法によって次々と連綿させる草書体のことをいいます。懐素「自叙帖」が狂草の代表作で、その音楽性の豊かな書きぶりを、一度は鑑賞しておきたいところです。狂草の誕生によって、書道史はターニングポイントを迎え、法則性を重視する書体(法)の時代から、芸術性を重視する書風(意)の時代へと変わっていきます。


≪2022年10月≫

◎全国競書大会(ふたば書道会主催)で、見事全国最優勝「双葉賞」を取得されました!




◎たくさんの生徒さんがご入賞。おめでとうございます!




◎児童生徒さんも熱心に取り組んでいます!



≪2022年9月≫

みなさん、ステキな表情されていると思いませんか?








たのしく全身を整えながら、書の稽古に励みます。










●オンライン生のみなさんも、コツコツと稽古に励んでいます―