「令和」の稽古が始まります。



これから長く付き合う新元号、ぜひ、心地よく書けるようになりたいものです。

ただ、急がば回れ。「令」「和」という文字(字源など)について、少し学んでみましょう(白川静説をベースに)。



「令」は、神のお告げを受けた人の象形で「いいつけ」の意味。

「命」と同じ意味で用いられ、神のおつげに従うことから「よい、りっぱ」という意味にも。


「命」は「生」と区別され、「生」は自然に与えられるもので、
「命」は神のお告げ(天命)の自覚により与えられるものと解されます。



「論語」に「命を知らざれば、以て君子たること無きなり」とあります。

自分の天命が不明のままでは、心落ち着かず目先の利益に動かされてしまうという教えです。



今月は、「願い叶え短冊」を開催します。

ぜひ、命(自分が本当にやりたいこと)を、少しでも明らかにするチャンスとなればと思います



「和」は、「禾」(軍門にかける標識)+「口」(祝詞を入れる器)から、

戦争をやめ平和に戻すこととされ、「やわらぐ、なごむ」の意味になります。



なお、甲骨文字には「和」はなく、異字体として「籥禾」の字がありました。
笛の象徴である「籥」(ヤク)と「禾」(のぎ)を合わせて、楽音が調和するという意味です。

(※異字体の「わ」がHP上では変換されないので、ブログを参照ください。)


日本政府は、新元号の「和」を「harmony」と訳しましたから、
「和」(peace)ではなく、異字体の「籥禾」の方に寄せたのでしょうか。



NHKの世論調査で約8割が「平成は平和な時代」と答えたそうですが、
世界に目を向ければ「平成も戦争の時代」でした。


人種や信条、思想の違いが争いのタネではなく、
「beautiful harmony」となって、世界中の人の心を照らしますように。


祈ることしかできませんが、祈ることはできます。
ただただ祈りを込めて、書いてみるとします。


                                                              書法道場師範 武田双鳳