大人の通学生のみなさんは、11月は条幅課題にトライします。

条幅課題の場合、特にポイントとなるのは「筆脈の通し方」です。




筆脈(脈絡、気脈)とは、点画間の見えない繋がりのことです。

すぐれた書は、字外の筆の動きによって筆脈が通り、余白にエネルギーが満ちています。




初心者にありがちなのは、墨継ぎのしすぎにより筆脈が途絶えてしまうこと。

もちろん、墨継ぎをしなさすぎると線がパサついてしまうので、墨継ぎと筆脈のバランスが肝要です。




コツとしては、

@次の文字の一画目を書いてから運筆の呼吸に区切りをつける、

A字の途中で墨継ぎをした場合は、空で前の点画を書くようにしてから次の点画を書き始める、

B筆の墨持ちが良くなる工夫をする(筆毛の根本までしっかりと墨を含ませるなど)が挙げられます。





唐の太宗は、王羲之の書を「状は断つるがごとくして、還って連なり」とし、

繋がっていないようで繋がっており、切れているのに連続感があるところに、運筆の妙があると評します。




点画が見える線で繋がっていなくても、見えない線で繋がっているように書くためには、筆の空中での運動(空中揺筆)と共に、

運筆における気持ちの持続が大切です。




歌人が自詠の歌を書いたものは、たとえ筆法が稚拙でも、点画間、文字間に気持ち通り、全体に筆脈が通っています。

気持ちを持続するかどうかは、書く言葉に対する感度の高さが大きく関わっているのでしょう。




例えば、「千峰黄葉村」を書く場合、単なる文字として書くのか、

それとも、美しい秋の情景を思い浮かべながら書くのかでは、出来上がりの質が根本から異なります。



先に挙げた@〜Bのような技法を高めていくと共に、ぜひ、言葉に対する感度を磨いていきましょう。





書法道場師範 武田双鳳