生徒の皆さんが「コック」として腕をふるって、京都の文化財を書作品で味付けする書法道場展。

第5回目は、どんな「コース料理」を味わえるのでしょう。



テーマを「祝(はふり)」にしたのは直感ですが、

理由を挙げてみるならば、「呪」(「祝」は同源)、「葬」(「祝」(はふり)と同音)といったダークサイドと表裏一体の関係・・・

というスリリングさに惹かれたからでしょうか(漫画「ノラガミ」の「祝の器」のように)。



もちろん、「祝」はポジディブな言葉で、「めでたいとして喜ぶ」、「心身を清らかにする」といった意味。

ただ、闇があるから光は輝き、余白があるから墨色が冴えます。



とにかく前向きに〜と、ネガティブを顧みないポジティブは、まさに「カラゲンキ」。元気が空っぽになります。

「祝」も同様で、「呪」や「葬」があるからこその「祝」でなければ、「カラハフリ」となって、その色はくすんでしまいます。



大切なのは、ポジティブでもネガティブでもない、祝でも呪でもない「ニュートラル」の状態に立ち戻ること。

そう言われて、「ニュートラルにしなきゃ」と自縄自縛したとすれば、

「心構え」だけで何とかしようという傾向が強い(心が前すぎる)ことの表れかも。



ならば、「身体が前」と、まずは「身体構え」(呼吸や姿勢)を整えてみるといい。

全身を筆先に通すことで心を開放する「書」は、まさに「カラダガマエ」を整え、「ニュートラル」に導く道具なのです。



有難いことに、今回の書法道場展には、100を超える出品がありました。



ウイルス災禍で、ダークサイドに傾く今だからこそ、

みなさんが「コック」として、命を輝かせて仕上げた「コース料理」は、社会にとって栄養満点の「ごちそう」です。


お腹を空かせた多くの人に、ぜひ、書の美味しさを分け与えていきましょう。



                                                              書法道場師範 武田双鳳